お知らせ

『褥瘡を作らないケアを学ぼう』

『褥瘡を作らないケアを学ぼう』と題して、御所訪問看護ステーションの看護師による、地域ケアセンターでの公開研修会が行われました。
ヘルパーは、在宅において、多くの寝たきりの方と接しています。褥瘡は、予防が一番で、早期発見と治療が大切です。しかし、毎日訪問しているのに・・・寝たきりのご利用者の膝内側に褥瘡が出来てしまっていた。「ヘルパーは何故気が付かなかったのか?」「ヘルパーは排泄部分だけは観察していたが、ご利用者の全体を観察していなかった」という問題が発生した。そこで、きちんとした知識を持つこととヘルパーの役割を再認識する必要があると思いました。
 今回の勉強会では、基本的な知識として小さな皮膚の赤みでも褥瘡の可能性があることを先ず疑い、除圧(その部分が当たらないように体の向きを変える)を行なった後、発赤消失か発赤持続かを観察するという褥瘡の見分け方の知識も、ヘルパーは身に付けておかなければならないということ。特に、仰臥位では仙骨部、後頭部、肩甲骨部、側臥位では側頭部、耳介、大転子部など、褥瘡ができやすい部位を知っておく事も大切であるということ。また、体圧分散寝具(エアマット)には、利点や種類がたくさん有り、圧管理が必要であるという事やギャッジアップの際にはシーツのしわや皮膚のズレをとることで褥瘡予防に繋がるので、必ず背抜き(背中のズレ力を取り除く)をする事や浮腫みは、心臓・肝臓・腎臓を患っている方、低栄養の方に起きやすく栄養摂取状態をアセスメントする必要がある事ということなど、違う視点から学ぶことができました。
 研修を終えたヘルパーからは、「予防の視点から、関わっていく上で専門的な知識を持って、状態観察やご家族への説明を行う事が大切であり、ヘルパーのするべき事の重大さが分かった」と感想が挙がっていました。
褥瘡は、一人では治せません。ご利用者、ご家族、ヘルパーが褥瘡ケアの必要性を理解し、在宅で褥瘡対策チームの一員として治癒促進、悪化予防、再発予防をする必要があります。今後、ヘルパーは、ヘルパーとしての役割をしっかり認識し、専門的立場から症状をみて、ご家族と看護と連携し対応するという必要なサポートができるように、ケアの場面に活かせていきたいと思っています。