地域ケアセンター 活動報告

「在宅ケアにおけるリハビリテーションの在り方」~ICFに着目したチームアプローチ~

3月1日(火)橿原万葉ホールに於いて鴻池荘訪問リハビリテーション 藤本 健太郎理学療法士より「在宅ケアにおけるリハビリテーションの在り方~ICFに着目したチームアプローチ~」と題して公開研修会を開催しました。
 今回のキーワードは「QOLの向上」と「チームアプローチ」です。
QOLとは、その人がどれくらい人間らしい生活を送り「幸福」を感じているかをいい、老人保健事業の目標も「健康な65歳」から「活動的な85歳」へと高齢者の自立支援という観点に立ち、病気や障害を持ちながらも活動的で自己実現ができる「QOLの向上」が主流となっているそうです。高齢者のリハビリテーションは機能回復訓練だけでなく、その人の隠された力を発揮させ日々の活動を高め、社会参加に繋げて自立を促すものであり、急性期、回復期、維持期それぞれの段階でもQOLを高めるチームアプローチが重要であると伝えてもらいました。各専門職が同じ方向性で目標を共有する為にはケアプランがカギとなり、そのためには利用者の障害像を明確に把握するICF(国際生活機能分類)の考え方が大切になってくるとのことでした。ICFとは、人が生きること、それが困難になった「障害」状況を総合的に理解する考え方で、体や精神の働き、体の一部の構造(心身機能・身体構造)、生活行為や家事(活動)、社会に参加や役割つくり(参加)の他に健康状態や環境、個人の要素を含めた人が生きることの生活機能面をプラスに捉えることで、それらの要素は互いに影響し合っているとの説明がありました。
 最後に事例を通じてICFの概念をどのように活かしていくことができるかを紹介して頂きました。訪問リハビリでの「活動レベルの向上」、次にこの人にとっての「参加」とは? 又そのことによる「役割」を見出し、各専門職が情報共有することで家事を通じて「母親としての役割」をもう一度担う自己実現ができ「QOLの向上」に繋がったとの内容でした。
今回の研修でケアマネジャーとして、リハビリテーションの重要性及びICFを理解し、他職種とその方のより多くの情報を共有し、連携を行うことの重要性を認識することができました。