地域ケアセンター 活動報告

『在宅生活に関わる歯科医師の役割』

平成22年3月17日鴻池荘で、御所市歯科医院の上田医師による、「在宅生活に関わる歯科医師の役割」をテーマに公開研修会を開催しました。
歯科医の立場から、口腔ケアの重要性と在宅歯科医との連携のあり方について話をしていただきました。歯医者へは「痛くなってから受診」される方が多いがこれからは、「虫歯にならないために歯医者へ行く」というふうに意識を変えていくことが大切と話されました。先進諸国では口腔ケアに対しての意識が高いのに、日本はまだまだ意識が低いとのことでした。
「高齢者や片麻痺のある方は、咀嚼や嚥下機能の低下で口腔内の汚れがひどくなり、自分でケアをすることが難しくなる」と説明された後、参加者に割り箸を口に挟んでビスケットを食べて頂き、飲み込みにくさや、口腔内の残渣物の状態を体験させて頂きました。
また、このような状態で、ケアが不十分であったり、唾液を充分に出すことが出来ずに口腔内が乾燥すると、気道感染しやすく、誤嚥性肺炎になるリスクが高くなるため、正しいケアの方法を教えていただきました。
誤嚥性肺炎による死亡率は交通事故で死亡する方を上まっていますが、適切な口腔ケアで予防が出来ると話されていました。そのため、介護保険でも口腔機能の向上が重要視されています。
今後、在宅での歯科診療は重要性を増してきます。利用者と歯科医とのピンポン玉のようなやりとりではなく、利用者を取り囲むドーナツ型の支援が必要であると言われました。そのためには、ケアマネは口腔ケアの必要性を理解し、主治医や家族、関係事業所からの様々な情報を歯科医に繋げ、連携していくことが役割であると感じました。