地域ケアセンター 活動報告

『在宅生活に関わる言語聴覚士の役割 ~ケアプランにおけるSTの必要性とは~』

12月17日鴻池荘で、曽山茂人言語聴覚士(ST)により『在宅生活に関わる言語聴覚士の役割~ケアプランにおけるSTの必要性とは~』をテーマに公開研修会を開催しました。
  曽山STの訪問を通しての取り組みを事例で紹介され、今後の訪問STの必要性を検討してもらう機会になればとのことでした。
先ず、訪問STはどんな利用者と関わるの?ということで話をされ、現在は、脳卒中、特定疾患が大部分をしめ、コミュニケーション障害と摂取、嚥下障害を併発している方が多いとのことでした。
 しかし、実際には、「ムセがある」「少し喋りにくくなった」「入れ歯が合わない」「口腔ケアが必要な方で例えば口臭が気になる」などといった方に対しても、STの関わりが必要であるということを伝えられ、事例を通しての訪問STの具体的アプローチについて話をされました。
  コミュニケーション障害のあるご利用者が遠く離れたお孫さんに「電話で“ありがとう”と伝えたいという“思い”を目標として関わり、自分の思いを伝えることの大切さや喜び、一言“ありがとう”と伝えることが生きがいとなる」といったお話しに、STの専門性を実感しました。また、ケアマネジャーとして、支援をしていく中でSTの専門的な評価とかかわりが、ご利用者の意欲や主体性を引き出す支援へと繋がるのだと感じました。
また、支援のなかで歯科医の紹介へ繋げていくといったこともされており、在宅でも多くの方が実際に口腔に関わる支援を必要とされていることを再認識させて頂きました。
 最後に曽山STが、人が生きるうえでの口の大切さを、尊敬されている先生の言葉を紹介されて話されました。「人は生まれ、口でおっぱいを吸い、・・(中略)・・最後に人は大きく息を吐いて現世に別れを告げる。口腔が生きるということに密接に関係している。真剣に口腔の働きの重要性を考えたとき口腔ケアの本当の意味が分かる。」この言葉で改めて口の重要性に気付かされました。