地域ケアセンター 活動報告

4月 公開研修会のご報告

公開研修会ご報告
「ICFの視点を活かしたケアプラン」
4月19日(金)に鴻池会居宅介護支援事業所:光成佳緒里ケアマネージャーを講師に、「ICFの視点を活かしたケアプラン」と題して公開研修会を開催しました。
はじめに、ICFの視点は、本人の障害に注目するのではなく、障害を含んだ生活全体の成り立ちを見るとことだと説明されました。そして、ICF概念の中心となる「生活機能」には、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」があり、それらが、相互間に影響し合うと説明されました。「生活機能」の低下には健康状態だけでなく、本人以外の全ての環境(環境因子)や個人の性格や生きてきた社会背景(個人因子)などの「背景因子」が影響していることが説明されました。例えば、生活機能が低下があったとしても、訓練の実施や、周囲の協力によって、これまでの生活が可能な例もあり、「環境」がいかにその人の生活に影響を与えるかを話されました。
後半は事例をもとに、まずは個人ワークでICFの各分類に情報を分けて、その後グループワークを通してお互いがどの分類に分けたかの意見交換を行いました。そこでは「少ない情報でもICFの分類に多くの行為が当てはまる事がわかった」などの意見が上がりました。例えば「昼間はトイレを探して職員に聞く。」というひとつの情報からでも、トイレがわからないというマイナス面のみでなく、歩く事ができる・聞くことができる・職員がわかるなど、生活機能のプラス面の情報を捉えることを学びました。そこからさらに、残っている機能に適切な技術をもって働きかけて隠れている能力を引き出すような関わりが重要だと伝えられました。
最後にご利用者の「○○ができないので困る」といった言葉の表面だけにとらわれず、不安となっている背景を明らかにして、さらに関わる全ての人ができることやできないところを共有し、ご利用者と一緒にどの部分に支援が必要か決めていく事ができれば「根拠のある目標」となり、ご利用者本位のケアプランにつながると伝えられました。
今回ICFの視点を学び、障害があってもその人の参加や活動が制限されている原因を、ご利用者と一緒に解決できれば、その人の望む生活を続けられると気付くことができ、今後ご利用者の「その方個人の強みを引き出し、自分らしく生きていく」ためのケアプランへ繋げていきたいと感じた研修会でした。