地域ケアセンター 活動報告

8月公開研修会

今回は「感動が持つ力」~感動は心と体の栄養源~とのテーマで御所訪問看護ステーションの大家沙耶香看護師にお話して頂きました。
 まず、「感動」とは、ある物事に対して深く感じ心を動かされることで、生きてきた環境や価値観によって人それぞれに違いがあることや、「感動」が心と体に及ぼす影響について説明して頂きました。
「最近感動した事ってどんな事ですか?」と会場の皆さんに問いかけると、「高校野球の選手の一生懸命な姿に感動する。」「童謡などの音楽で心が癒される」「孫を連れて遊びに来てくれた時に嬉しく思う」など、参加者の方から感動したことを伝えていただきました。感動が心と体に及ぼす影響について、まず「健康」は、心も体も健康な状態を指し、どちらかが欠けると健康とは言えないため、心と体は切り離せない関係にあると伝えられると、皆さんうなずかれていました。
  次に「涙」のお話をしていただきました。感動すると涙がこぼれます。これは、感情の涙と言われ、人間にしかない涙だそうです。その他に、玉ねぎを切ったときに出る刺激の涙。そして、目に酸素や栄養を届けるための基礎分泌の涙と3種類の涙があるそうです。辛い時に涙を流すとスッキリしたという経験は、感情の涙にストレスや痛みを和らげる働きがあるようです。悲しい時や辛い時に泣くことは立ち直る近道なのかもしれません。訪問看護の現場でも、家族を亡くされた方に対して、(グリーフケアとして)「悲しい時は思いっきり泣いて下さい」と言葉をかけているそうです。 
また、怒ったり、悔しい時に流れる涙は辛く、リラックスしている時の涙はマイルドと、涙に味があるという興味深いお話がありました。
  ストレスを溜めない健康な人は、多くの事に感動して涙を流し、笑顔が耐えない人だそうです。感動すると、心だけでなく脳の中でドーパミンという物質が発生し、体内の細胞が活性する作用があり、この物質は体にとっても重要で、不足すると、集中力の低下や無力感、無気力などが起るそうです。ドーパミンを発生させるには、感動することの他に「何だったかな・・・」と考える事も大切だそうです。そこで、会場の皆さんに「蒲公英」や「鰻」「浅蜊」など読みづらい漢字の読み方を考えて頂こうとしたのですが、参加者の皆さんには簡単過ぎたようで、いとも簡単に読まれてしまいました。
  健康であり続けるためには、食生活や運動等基本的な生活習慣だけでなく感動することも重要だと最後に締めくくられました。
会場から「子どもの頃は感動する事が多かったが、大人になると心が鈍って感動する事が減ったように思う」「童心に返って感動したい」というような感想があり、感動することの大切さを知ることが出来ました。