地域ケアセンター 活動報告

9月公開研修会in橿原ご報告

誤嚥性肺炎を予防しよう! ~いつするの今でしょ!
平成25年9月26日奈良県社会福祉総合センターにおいて「誤嚥性肺炎を予防しよう」をテーマに鴻池荘訪問リハビリテーションの竹田誠介言語聴覚士、渡部政弘理学療法士を講師に公開研修会を開催しました。
 はじめに、「現在、肺炎は日本人の死因の第3位となっており、高齢になるほどその割合が高く、65歳以上で肺炎のため亡くなる方の80%以上が誤嚥性肺炎である。」との報告があり、その後、「誤嚥性肺炎について」「誤嚥性肺炎の原因」「摂食、嚥下についてのメカニズム」の説明がありました。
 誤嚥の状態の説明では、模型とレントゲン造影を用いて視覚的にも分かり易く解説をして頂き、メカニズムの説明では、我々が無意識に視覚、聴覚、嗅覚で食べ物を認識していることや、食べ物を咀嚼するために頬・舌・唇が協力して働くことを、実際に「クッキー」を食べながら、その機能を確認することで、体験を通して理解することができました。
 誤嚥のリスクと注意点については、「むせ」が弱い場合は、「誤嚥した物をしっかり気管から出せていない可能性があるので注意が必要であり、うがいや歯磨きなどで口腔内を清潔に保つことで、唾液の誤嚥があっても肺炎のリスクは少なくなる。」との説明があり、口腔内のケアの大切さを再認識しました。また、摂食時の姿勢が誤嚥につながるとの説明をされ、実際に悪い姿勢の一つである顎が上がって首が伸展した姿勢で水分を摂る体験をしましたが、喉に苦しさや痛みを感じ、摂食時の姿勢の大事さを理解することができました。
 最後に、誤嚥性肺炎を予防するためには、①お口のリハビリ ②食事の工夫 ③口腔ケア ④姿勢の調整 ⑤筋力の増強を行うことが効果的であり、誤嚥性肺炎のリスクに早く気づくには①食べこぼしや、よだれが出る②飲み込みにくい、食事量が減っている③よくむせる、飲み込む時に変な音が鳴る④口の中が汚い、など「症状に注意して下さい。」という投げかけがありました。
 今回の研修会では、誤嚥性肺炎について、その原因やメカニズムを知ることにより、よりリスク管理や予防の大切を学ぶことが出来ました。また、私たちが早期に利用者の異変に気づき、その「気づき」を共有し、速やかに医師の診断や専門的な評価を受け、指導・訓練につなげることが大切であるという振り返りの気づきを得ることができました。