地域ケアセンター 活動報告

8月 公開研修会報告

こころの健康とストレスケア
平成25年8月16日「こころの健康とストレスケア」をテーマに秋津鴻池病院の岡田明日香臨床心理士を講師に公開研修会を開催しました。 はじめに、人生の各時期における課題やストレスについて、成人期以降に焦点を当て、それぞれの時期に心の健康にどう影響を与えるのか説明して頂きました。まず成人期は、家族形成において結婚や出産といったライフイベントが多く、社会で働くことで生じる他者との価値観等の違いによりストレスが生じ、気分障害や統合失調症などを発症しやすい時期で、中年期は人生の折り返し地点であり職業上では中心的な役割や責任といったプレッシャーや、身体的変化や家庭内での新しい変化等がありストレスが生じやすい時期でもあるそうです。この中年期を如何に過ごすかで、次の高齢期を有意義に過ごせるかが決まる大切な時期であると伝えられました。さらに高齢期は、自己の人生の受容の時期であり、身体的な変化や自殺といった問題が多いのもこの時期だそうです。この時期に身体的な訴えがある場合は、実は心理的な原因が隠されている場合があり、その時こそ「こころの声」を見逃さないで下さいと伝えられました。 次に、ストレスは①ストレッサー(ストレスのもと)②ストレス反応(心や身体に生じる反応)③ソーシャルサポート(人間関係)の3つの要素で構成されていて、ストレスが生じた際にはこの3つの要素ごとに心の問題を書き出すことで、自分を客観視でき自己理解が深まると伝えていただきました。 最後に、ストレスコーピング(意図的な対処のプロセス)についてコーピングには、認知的なコーピングと行動的なコーピングの2種類あり、①すぐ出来る②想像しやすい③低コストを基本にレパートリーを沢山用意して、いつでも使えるようにしておくことが重要であると伝えていただきました。ミニワークでは、各々に自分のコーピングを記載しグループごとに披露しました。「高価な入浴剤を購入してゆっくり入浴する」「休みの日は時間を気にせずとことん寝る」「泣けるドラマを見ておもいっきり泣く」といったすぐにでも出来る、私自身も参考になる意見が沢山ありました。 今回の研修会では、誰もが抱えるストレスについての知識やその対処法について学ぶことができました。利用者や家族と関わる際、その方の人生の時期にある課題やストレスについて理解することで支援に活かしていきたいと思いました。また、私自身もストレスケア力を高めることができる研修会となりました。