地域ケアセンター 活動報告

8月「在宅での介護」~本人の残存能力を活かす介護~

8月22日(土)鴻池荘にて「在宅での介護」~本人の残存能力を活かす介護~のテーマで健康教室では初めての試みである介護教室を開催させていただきました。
 
「自分らしくありたい」と誰もが思う気持ちに応える介護について、地域ケアセンター北浦よりケアマネジャーの視点からのお話と、実践的な介護方法について秋津ホームヘルパーステーションの森岡主任ヘルパーより伝えさせていただきました。
 
まず、北浦より日常の介護者の関わり方によって、本人の可能性が広がったり、逆に可能性を奪い、出来ることまで出来なくなる状況を招き、介護する側にも大きな負担がかかる結果になると関わり方の大切さを話しました。「出来ることは自分でやってもらう」「出来ないことは、出来るような支援をする」この様に関わることが望ましく、一見親切で優しい「大変だから何でもやってあげる介護」は、実は本人の持っている力「残存能力」まで奪ってしまう介護であることを伝えさせていただきました。
次に、森岡より実際の介護技術について、寝返りの介助方法や段差の昇り降り、衣服の着脱の方法について、それぞれの介護について2つのパターンの介護方法を実演し、どちらが望ましい介護方法かをクイズ形式で参加者へ質問させていただき、実際に介護を受ける立場と介護する立場の体験をしていただきました。
教室に参加してくださっている方の中に現在ご自宅で介護を行っている方がおられ、「介護を受ける経験は初めてだったので実際に体験すると良く分かる」と話され、積極的に参加して下さいました。更に、日常の介護で一番困ってしまう床に座り込んだ状況からの立ち上がりまでの介護方法について質問して下さいました。その回答を実践して伝えさせていただきました。ポイントを押さえた介護が出来ることで、介護を行う側も介護を受ける側も安全で負担の少ない本人の力を活かした介護が実践できることが分かりました。森岡からは、技術を身に付けておくことはもちろんのこと介助中の「言葉かけ」が本人の意欲を引き出す事にとても大切だと伝えられました。声を掛けることで本人の意識が動作に向き、「力を入れる」「角度を付ける」など本人の能力とタイミングを自然に使うことが可能になるということだそうです。
 最後に北浦より、残存能力を活かす介護とは「自分らしくありたい」その思いに応える介護であり、その為には、その人がもつ残存能力を活かせる具体的な言葉かけが大切だという話がありました。
 今回の健康教室では介護を技術面だけでなく、本人の思いや本人の持っている力を大切に活かす介護の視点を持って関わることが重要だと感じました。                                                
 次回の健康教室は、
9月17日(土)池之内区自治会館にて「毎日コツコツ認知症予防」~心構えで変わるこれからの生活~とのテーマで鴻池荘 リハビリテーション部 作業療法士 金澤 江吏子よりお伝えします。
皆様お誘い合わせの上是非ご参加下さい。