地域ケアセンター 活動報告

9月健康教室のご報告

9月の健康教室は、21日の 世界アルツハイマーデーの日に認知症について学びました。
 まず、講師の松瀬さんから、「みなさん、今日の朝ごはは何を食べましたか?」と質問を投げかけられ、会場からは、「ご飯とみそ汁~」「パン!」とはじめは元気よく答えられていましが、「それでは、昨日の夜は?」「その前の夜は?」と投げかけられると、自信のない表情をしながらも、和やかな雰囲気の中「もの忘れ」についてのお話が始まりました。
 まず、認知症は単なる物忘れではなく脳の病気で、年々増加している身近な問題であり、「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「ピック病」と種類があるという基本的な知識が紹介されました。症状については、認知症になれば誰にでも起こる症状として、覚えて思い出す「記憶」、複数の事を同時行う「注意力」、段取りを立てて行動する「計画力」の衰えといった「中核症状」について学びました。
 更にBPSD(行動・心理症状)と呼ばれる中核症状から二次的に起こる症状についてお伝えして頂きました。これは、生活への影響が大きく、介護者への負担が大きいのが特徴です。その症状には原因があり、そのことを理解しておくことが、認知症の方の支援には重要であることが伝えられました。 
 BPSDの症状として、徘徊や拒絶などの行動症状、妄想や幻覚などの心理症状があげられ、私たちの間違った対応や環境によってその症状が起こることがあるとお話しをされました。例えば「徘徊」は、私たちにはあてもなく歩きまわるような行為に思えるが、見当識障害により場所が分からなくなっている場合や、どこに行くのかを忘れてしまったり、昔住んでいた家を探しておられるなど本人の理由や目的があることが伝えられました。
 認知症の方をケアする際に注意すべき点として、ご本人のプライドを尊重することや、過去と現実が混同している事や、ご本人は、忘れて行く記憶を
 自覚されおり不安な気持ちであることを理解することが重要だそうです。私たちは認知症について正しく理解し、その方の立場にたったケアが何より大切であることが伝えられた健康教室でした。