地域ケアセンター 活動報告

「訪問看護ってこんなことをしてくれるんだ!安心だよね」

9月17日に第6回公開研修会「訪問看護ってこんなことをしてくれるんだ!安心だよね」というテーマで開催されました。御所訪問看護ステーション森田看護師に講師を依頼し、他事業所からは32名ご出席いただきました。
  勉強会のはじめに訪問看護ステーションの設置数は国の目標に遠く、高齢者や終末期の療養場所は在宅へと移り変わろうとしている中で必要な在宅医療やケア体制が整っていない状況であると説明がありました。実際プランを作成していく中でも実感することがあります。その中でも24時間在宅で対応する医療面からのかかわりは、ご利用者に安心を提供するためには重要であり、「その人らしい生活」を考えQOLを高める為にも訪問看護は必要なサービスです。
 訪問看護ステーションは、看護師以外にも保健師・助産師・理学療法士・作業療法士・言語療法士等の専門職が関わりサービスを提供し医療・介護の両面からご利用者の在宅生活を支援している為、ケアマネジャーとしてマネジメントの幅を広げることを考えることができました。ご利用者に安心していただける訪問看護の具体的な内容説明を踏まえ、ケアマネジャーの関わりや連携のポイントがあったので照会します。
  事例紹介の中で、ガン末期の方が、手術後退院し、在宅で療養を行なうケースでケアマネジャーの役割のポイントがありました。
まず、ケアマネジャーと病院のソーシャルワーカーとが連携をとり、入院中に退院前カンファレンスが開催されます。ここでは、入院中関わったスタッフと退院後必要なスタッフが一同に集まることでいろいろな職種の意見交換ができ情報の共有が出来るので在宅生活を開始する上で重要なカンファレンスになります。
 ガン末期においては、退院当日から「緊急対応サービス」も受けることができ、在宅に向けて切れ目なくご本人の意思を尊重した看護サービスが受けられることになります。
 しかし、ガン末期の訪問看護は医療保険になることから、医療的センスがケアマネジャーに要求されることになり、総合的なマネージメントができるようにしておかなければなりません。
  また、心と体の両面のケアが必要なターミナルケア(終末期ケア)について、「患者の人格や家族の意思を尊重し、肉体的な痛みをやわらげ、死に対する恐怖を緩和し、残された人生のQOL(生活の質)を高めることをめざしている。そして、患者だけではなく家族へのサポートも重視している。具体的には、主治医の了解を得て適切な時期に独自の『看とりのパンフレット』を渡し支援している」とのことから、この目標に対応したケアプランを作成することがケアマネジャーの重要な役割です。
 最後に、残された遺族に対し、心が傷付いた状態から新しい環境に適応し、新しい心理的・人間的・社会経済的関係を作るまでの過程(グリーフワーク)のケア「グリーフケア」についても訪問看護の役割であることを伝えてくださいました。
  出席された皆様も、訪問看護サービスの内容を通し、他職種との連携の重要性を再認識していただけたのではないでしょうか。
  鴻池会地域ケアセンター 北浦記代子