地域ケアセンター 活動報告

人は作業することで元気になれる~役割を担うということ~

3月の健康教室は、鴻池荘訪問リハビリテーションの東條作業療法士を講師に迎え革細工に挑戦しました。
早めに到着された参加者の方と一緒に準備を始め、開始時間と同時に、「それでは、早速、栞(しおり)作りに挑戦してみましょう。」と一つひとつの手順を聞きながら作業を開始しました。
 先ず、①革を水で湿らす。次に、②好みの模様の刻印棒を選ぶ。そして、③刻印棒を木槌で革に打ち付ける。東條さんからは「注意点は一つ、刻印棒を真直ぐ持つことです。」と説明がありました。「トントントン」と木槌を打つ音が会場に響き「お〜、できる、できる」という声や「けっこう、力を入れんとアカンなぁ」など、参加者の皆さんは、力加減や模様を確かめながら作業に取り組んでおられました。栞の形にカットされた革には、数種類の刻印を組み合わせて模様を作り、イニシャルを入れるなど、参加者それぞれの思考を凝らしたオリジナルのデザインが描かれていきました。仕上げに色をつけ、ニスを塗り、栞紐を付けると、一つひとつとても風合いのある栞が完成しました。塗ったニスが乾く間、東條さんから「リハビリって何だと思いますか?」と問いかけがあり参加者から「骨折をした時に行うものかな?」などの意見が聞かれると「実は、新しいことに挑戦したり今日のような集まりに参加してみるなど、いつまでも元気でいるための『予防』につながることもリハビリなんですよ」と伝えられました。そして、例えば、今回作成した栞を誰かにプレゼントするとしたら…。「昔、読書が趣味だったご主人に、さりげなく栞をプレゼントする。ご主人は、それをきっかけに本を読み始める。それだけでも、ご主人の趣味という活動(予防)のきっかけ作りになったという、ちょっとした「役割」を果たしています。」と伝えられました。
 最後に、年齢を重ねた方の生活は、身の周りの「日常生活活動」と楽しみや役割を感じる事ができる「余暇活動」で成り立っており、そこで意識的に楽しみや役割を取り入れることが、「いつまでも元気に過ごすことにつながる」と締めくくられました