地域ケアセンター 活動報告

第4回 公開研修会のご報告

平成24年7月20日 鴻池会訪問リハビリテーション言語聴覚士 竹田誠介氏により、「~失語症の正しい理解について学ぶ~」とのテーマで公開研修会が行われました。
はじめに脳の機能についての説明があり、次に失語症について、「失語症とは、脳が損傷を受け、言葉の機能をつかさどる部分が障害された結果起こる言語障害のことをいい、話す・聞く・読む・書く、の全ての言語機能がなんらかの能力低下を起こす状態である。」と、その一つ一つの状態を体感しながら研修が進められました。
 講義の途中では、失語症の方とコミュニケーションを取る疑似体験を行いました。2人一組になり、失語症の方の役は、「はい、いいえ」を首振りでしか表現できない状況で「左足の人差し指の付け根」「右耳の裏」など難しい設定を上手く聞き出すかという体験を行いました。私は聞き役で、最後まで当てることは出来ず、もどかしい思いをしました。それと同時に、相手の気持を察しようと失語症役の方の微妙な表情、しぐさを観察することも大事だということを学びました。
 次に「失語症の方とのかかわりで大切なこと」について、「話に集中できる静かな環境づくりや、わかりやすい言葉でゆっくり話し”はい””いいえ”の答えやすい質問を行う。また、絵やジェスチャーを使うなど、失語症の方が理解しやすい工夫が大切です。」伝えられました。
 最後に失語症の方の在宅支援では、「失語症の方は、周りの人は病気のことをよく知らず、”わかってもらえない””知られたくない”という気持からひきこもりがちになることが多く、言語聴覚士のような専門家が正しい知識を伝え、その方の症状のあったコミュニケーションの方法を提案することが必要である。」と締めくくられました。
 今回の研修で、「失語症」の状態をより詳しく理解することができ、疑似体験により、失語症の方の不安や苛立ちなど、精神面を理解した上でのかかわりや、その際の注意点などを学ぶことができました。