地域ケアセンター 活動報告

10月「精神科医の話の聴き方」~このように努力しています~

10月の健康教室は、精神科の先生が話す、「話の聴き方」をテーマに開催させて頂きました。地域の方や生活・介護支援サポーターの皆さん、更に地域の事業所の方など多くの方が参加して下さいました。
話を聴く際のポイントを、アメリカの臨床心理学者カール・ロジャースの「聴く側」が「話す側」と同じ目線に立って話を聴く「来談者中心療法」から、6つのポイントをお話して頂きました。
その内容は、相手の話を自分の事の様に共感しながら聴き、伝えたい事や感情を理解すること。2つ目に、常識や聞き手自身の考え方に捉われず、本人の枠組みを全て受け入れること。3つ目に、言葉に込められた感情に注意して、聞き手の感情と話し手の言葉や態度を一致させること。4つ目には、話し手自身が言葉で伝えることで自身の問題が明確になること。そして5つ目に、話の内容の理解にズレが無い様に、要約しながら話を進めること。最後に、話し手の能力を信頼することで、自らの力で問題を解決する力を引き出す事ができるそうです。その力を引き出すために、相手を受容し、共感しながらよく話を聴くことが大切と話されました。
話を相手の立場に立って深く聴くことは、相手に寄り添うことだそうです。少なくとも、話を真剣に聴いている間は、相手の孤独感を癒すことが出来るかもしれないとお話されていました。また、話し手が、自分の話したいこと、伝えたいこと、自分自身が受け入れられていると感じた時、聞き手側の伝えたいことも受け入れられやすいそうです。この様な、
聞き手と話し手の関係が築かれた時、人間関係が改善されることもあるそうです。
健康教室の最後に参加者の中から、「日頃患者さんのお話を聴くお仕事で、ストレスが溜まると思いますが、どの様に解消していますか?」との質問が上がりました。「月に一度は、思いっきり自分の話を聞いてもらう時間を作る。お互いに聞き役、話し役ができる相手がいれば一石二鳥ですね」と締めくくられました。
歌のコーナーでは、秋の深まるこの季節にぴったりの童謡「紅葉」を3つのグループに分かれて輪唱しました。会場は、全員の歌声の迫力と、一体感に包まれました。