地域ケアセンター 活動報告

5月「知っておきたい病気 うつ病について ~こころのサインを見逃さないために~」

5月の健康教室は5月16日(土)鴻池荘 談話室で「知っておきたい病気 うつ病について ~こころのサインを見逃さないために~」をテーマに秋津鴻池病院 副院長の杉山 弘朗先生にお話していただきました。
うつ病についてどんな病気なのか、どんな症状なのか、罹らないための予防とは、うつ病の方に対してどういった接し方が望ましいのかについてお話していただきました。
まず、うつ病は、ガソリンが無いにも関わらずアクセルを踏み続ける様な状況だと車に例えて解りやすくお話してくださいました。脳にあるセロトニンやノルアドレナリンという物質がガソリンにあたり、この物質が減少すると、車ならエンストとなるように、うつ病の発症となるそうです。具体的な症状として頭の働きがわるくなる。嬉しい感情が減る。集中力の低下。何事にも億劫になる。など感情面に大きく影響されることが特徴だそうです。うつ病にかかりやすい方の特性として、「几帳面」「責任感が強い」「完璧主義」などの傾向にあるそうです。そこで「必要以上に秩序にしばられない」「ひとりで抱え込まない」など、意識的な心の持ちようがうつ病予防に重要だとお話されました。
次に、うつ病の患者さんへの接し方の留意点を紹介していただきました。一番間違いやすいのが励ましや気晴らしへの誘いだそうです。例えば「がんばれ」という声かけや、旅行の誘いがうつ病の方を苦しめることになるそうです。
うつ病は「心のカゼ」と言われるように、誰にでもかかりうる身近な病気だそうです。しかし、カゼもこじらせてしまうと、肺炎になり、死を招く場合があるように、うつ病も軽視してはならない病気です。また、うつ病は、治療を行えば治る病気であるとお話していただきました。
最後に、配偶者の喪失体験をきっかけにうつ病を発症される方のお話。はっきりした理由は不明ですが、男性より女性の方に回復力があるそうです。女性特有の雑談が精神的に良い作用があるのかもしれないとユーモアを交えながら女性は強いとお話されていました。健康教室の女性参加者の皆さんも、心当たりがあるのか、顔を見合わせながら笑顔を浮かべておられました。
楽しく人生を送るために、「間閉め(マジメ)」でなく、「間抜け(マヌケ)」でもない、「非真面目」がちょうどいいとお話されました。
 次回の健康教室は、6月20日(土)「福祉現場で出会った長寿の方々」とのテーマで御所市 健康増進課の西川浩司氏にお話をしていただきます。皆様お誘い合わせのうえ是非ご参加下さい。