当院について
人生の最終段階における医療・ケアに関する指針
秋津鴻池病(2018.4)
1.基本的な考え方
終末期における医療・ケアの在り方に関する当院の基本的な考え方は従来の「高齢者診療指針」に示した通りであるが、近年は自分の死に関して、どのように迎えたいかを事前に表明しておくこと、そして医療・介護従事者は本人の意向を最大限に尊重して医療・ケアを提供することが求められるようになってきた。これらの背景を踏まえ、改めてここに当該指針を提示する。
2.終末期の判断
医師が客観的な情報をもとに、自身の臨床経験も加味したうえで治療による病気の回復が期待できないと判断した場合、看護等多職種による協議を経て終末期(人生の最終段階)の状態にあると決定する。
3.終末期(人生の最終段階)における医療・ケアの方針の決定手続
医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされることが必要である。なお、話し合った内容は文章にまとめておくものとする。
- 本人の意思の確認ができる場合
本人と医療・ケアチームとの合意形成に向けた十分な話し合いを踏まえた本人による意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針の決定を行う。 - 本人の意思が確認できない場合
ご家族等が本人の意思が推定できる場合はその推定意思を尊重し、推定できない場合でも、ご家族等と話し合い本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。 - ご家族等がいない場合およびご家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合
医療・ケアチームで協議し、本人にとって最善と考えられる方針とする。
4.方針決定に関する具体的事項
終末期における意思確認が必要な事項は概ね次の2つが想定される。
- 経口摂取ができなくなった(介助しても食べられなくなった)場合の水分・栄養の補給方法について。
- 状態が急変(心肺停止)した時の人工呼吸などの延命治療について。
心肺蘇生術をしないDNR(Do Not Resuscitation)の希望の有無について。
なお、意思決定は変更可能であることを本人等に伝えることが必須である。