地域ケアセンター 活動報告

11月 公開研修会のご報告

「認知症をもっと知ろう パート2」
平成24年11月16日研修棟に於いて「認知症をもっと知ろう パート2」と題して、医療法人鴻池会 平井基陽理事長を講師に公開研修会を開催しました。当日は、地域の方をはじめ行政や病院、サービス事業所など150名と多くの方がご参加下さいました。
 はじめに、日常生活自立度Ⅱ以上の高齢者数は平成24年305万人、5年後には373万人まで増加すると推計されている現状を伝えられました。また、物忘れはあるが普段の生活に支障がない人(軽度認知機能障害:MCI)が、1年後には10人に1人が日常生活に支障を来たす認知症になる可能性があると説明されました。私たちケアマネジャーは、利用者の変化に気づき早期に受診を促し、医師に在宅での様子(中核症状や周辺症状)を伝え連携することで、早い段階で医療に繋げて認知症の悪化を防ぐ役割があるのではないかと思いました。
つぎに、認知症の治療には薬物療法と非薬物療法があり、薬物療法ではアルツハイマー型認知症の治療薬が平成23年11月に4種類になり、その種類のひとつとして貼付剤が加わり、本人の状況や状態により処方できる薬剤の選択肢が増えたと説明されました。非薬物療法には、日常生活の援助や心理的社会的治療があり、例えば昼夜逆転している方には日中の声掛けや昼間に動いてもらい生活リズムを整えることが関わりとして必要であると説明されました。認知症の人を支えるには薬物療法だけではなく、認知症ケアに必要なアセスメントを適切に行い多職種で情報を共有し、目標に向け包括的にチームアプローチするケアが重要であると伝えられました。今後、利用者の取り巻く環境や状況を理解したうえで、認知症になっても本人の意思が尊重され、出来る限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるように、ケアマネジャーとして利用者や家族に対して介護保険のみならず社会資源も活かし、一人ひとりが心豊かに暮らせる地域を目指して支援を行っていきたいと思いました。
最後に、20年前に国の方針として打ち出した「寝たきりゼロへの10か条」の紹介があり、これからの高齢社会に必要なのは、自助(自分で)・互助(お互いに)・共助(共に)の人の輪・地域の輪で寝たきりにならず、認知症の症状が何故起こるのか理解してケアにあたって欲しいと伝えられました。
今回の研修会では、専門医の立場から説明していただき一人ひとりが認知症を理解し、今後、地域で認知症の方をどのように支えていくかを医療・介護・地域の方と共に、それぞれの立場で考える機会となる研修会となりました。