地域ケアセンター 活動報告

12月 公開研修会ご報告

よりその人らしい在宅生活を支えるには
平成24年12月14日研修棟にて「よりその人らしい在宅生活を支えるには」と題して、鴻池荘訪問リハビリテーション・理学療法士、田中美香氏を講師に公開研修会を開催しました。
 はじめに、人口推移と高齢者の要介護率のグラフでは、年齢80歳以上から介護保険の認定率が3割と急激に上昇していることから、介護保険の分野だけでは支える事が難しく、地域包括ケアシステムといわれる、医療・介護・予防・住まい・生活支援の5つの視点での取り組みが必要との事でした。
 次に、リハビリテーションについて、「急性期リハビリ」「回復期リハビリ」「生活期リハビリ」とあり、「急性期」では早期離床・拘縮予防など基本的な体調作りが行われ、「回復期」では集中したリハビリ介入や在宅復帰にむけた準備、「生活期」では生活機能の維持・向上や、社会参加へ繋げるというそれぞれの役割を説明されました。
訪問リハビリは生活期でのリハビリを担い、その必要性が高いタイミングとしては、機能回復曲線にもあるよう退院・退所直後や機能低下してきた時、さらに、住宅改修を考える時や、家族の介護が大変になってきた時があるとのことでした。また、入退院時には連携を強化したいタイミングだと説明がありました。入院時にはより正確なADLや生活状況の情報を伝える事で、病院でのリハビリの目的が明確に、退院時にはより具体的に在宅復帰をイメージしたアプローチが可能となり、退院された後のサービス提供も切れ目なくスムーズ行えるためであり、ご利用者の為に顔を合わせての連携が非常に有効であることを伝えられました。
 更に、「情報共有」「評価」、そして「連携」と言うプロセスをサービス担当者会議、リハビリ専門職による評価、そしてその評価を訪問リハビリから訪問介護への介護指導という流れでスタッフによる実演をビデオで流されました。ビデオで実際の様子を見ることで、サービス担当者会議は、ご利用者が主人公であること、他職種と連携して適切な時期に開催する必要があると再確認できました。
 最後に専門的視点での評価を基に、利用者との関わりや、介助方法を相談・伝達する事だけでもリハビリテーションの役割である事を教えて頂きました。