地域ケアセンター 活動報告

「入院中の効果的な関わりを考える」~事前アセスメントの実態調査(報告と提案)~

今回、「入院中の効果的な関わりを考える」~事前アセスメントの実態調査(報告と提案)~というテーマで、訪問リハビリが公開研修会を担当しました。
  医療保険下で、より病院における機能分化を余儀なくされつつある昨今、その間の連携はもちろんのこと、医療保険から介護保険へのつなぎの連携も重要視されていることは言うまでもありません。今回は事前アセスメントの一つである退院前カンファレンスについて、ケアマネジャー、内部・外部の看護師にアンケート方式で質問し、当院での実施状況を調査しました。
  今回の研修会を担当して、皆さんの「連携」に対しての高い意識を強く感じました。在宅生活を考慮した情報の伝達という面では、私自身もこれまで何度か退院前カンファレンスに参加し、ただ単に情報提供すれば良いものと思っていました。しかし、アンケート結果から、在宅ケアに関わるスタッフが、どのような観点で情報を得て在宅生活へのスムーズな移行を考えているかということがわかりました。
 今後は、リハビリの状況・在宅生活におけるリスク管理・使用する福祉用具の細かな設定などについて、在宅ケアスタッフとの意見交換を行うことが、入院中から在宅生活を視野に入れたアプローチを展開する在宅ケアスタッフとの意見交換を行うことが、入院中から在宅生活を視野に入れたアプローチを展開するうえで重要なことであると感じました。
 また、開催時間が遅れる、専門用語が多く分かりにくい、ご本人やご家族が萎縮して発言しにくい雰囲気であるなど、病院スタッフ側の反省点となる意見もあり今後のカンファレンス開催に対しての注意点を知ることができました。このことは病院スタッフに対して伝達しています。
  今後の動向としては、これまで医療保険下でのみ連携に対する評価が行われていたものが、来年度からは医療と介護の連携の推進を図る観点から介護保険下においても連携に対する評価が導入される予定です。
 最後に、前回の研修会にていただいたリハビリへの質問「特養でナースでもできるリハビリは?」について回答します。
  まず、リハビリの考え方として急性期・回復期を経て維持期である特養に入所されている方というのは、基本的には機能面・能力面は大きく変化しにくく、機能訓練(関節可動域訓練・筋力増強訓練など)を行なうという考え方よりも、日々の生活の中で残存機能をいかに活用して廃用症候群の予防に努めるかが重要になります。
例えば、移動は出来る限り歩行を取り入れる、立ち上がる機会を多くする、車椅子を自分で操作してもらう、など生活の中で活動量を高める視点が重要であると思います。また、趣味活動などを取り入れて離床時間を拡大させ、寝たきりにさせないという視点も重要です。ナースが・・・、ヘルパーが・・・という考えではなく、スタッフが協同して離床タイムスケジュールなどを作成するなど、その施設でできる工夫をされてみてはどうでしょうか?