地域ケアセンター 活動報告

平成27年2月の公開研修会のご報告

塩分と食生活 ~無理なくおいしい減塩食~
平成27年2月20日 「塩分と食生活~無理なく美味しい減塩食~」をテーマに、秋津鴻池病院 管理栄養士 都築 尚子氏を講師に公開研修会を開催しました。
まず初めに「和食」は、素材の持ち味を生かす調理技術や一汁三菜を基本とする栄養バランスに優れた健康的な食生活として、平成25年12月ユネスコの無形文化遺産に登録されたことが伝えられました。一方で和食は、漬物や練り製品などの食材や味噌やしょうゆなどの調味料に多量の塩分が含まれていることから、日本は世界と比較しても食塩摂取量が多く、高血圧や脳梗塞、心筋梗塞など疾病被害のリスクを高める原因となり、減塩を心がけることは、健康寿命を延ばすことにつながるそうです。
また、日本人の一日の食塩摂取基準は、男性8g/日未満 女性7g/日未満と、以前よりも少なく改定されるなど、国の方針としても減塩が推奨されていることや、私たち国民の健康への意識や関心が高まっている状況から、平均の食塩摂取量も年々降下傾向にあることがお伝えされました。
アイスブレイクでは、質問項目に、練り製品や漬物をどのくらいの頻度で食べるかなど、自分の食生活の嗜好や習慣を振り返る13個の質問が投げかけられました。食品には多くの塩分が添加されているものがあるため、自分の意識以上に食塩を摂取していることに気づきました。
減塩には、ラーメンやうどんのスープを残すといった意識と習慣の変容の他に、塩分を減らした物足りなさを補う工夫として、レモンなどの酸味やコショウなどの香辛料を活用することが紹介されました。
また、高齢者で食事量が少ない方は美味しく食べてもらうことを優先する、大量に汗をかいたときや下痢・嘔吐が続いているときは反対に塩分を補給したほうがよい等が伝えられました。
塩分は私たちの身体に必要なものであり過度に不足すると生命にかかわります。しかし多量摂取によるリスクもまた大きなものです。今回の研修では塩分の摂取基準量や減塩方法などを詳しく学びましたが、ご利用者の食生活をアセスメントする際には食環境の把握も大切であることに気付くことができました。偏食の方や疾病などにより減塩が必要なご利用者には専門家の評価を受けて、その方に合った減塩方法の提案を行ない、健康維持や疾病の悪化予防に向けた支援を行っていくことの大切さを学べた研修会でした。