地域ケアセンター 活動報告

10月公開研修会のご報告

「相談援助技術を高めよう パート1」
平成24年10月19日介護老人保健施設鴻池荘、サテライト蜻蛉の福本美和氏より「相談援助技術を高めよう」とのテーマで公開研修会が行なわれました。まず、「ソーシャルワーカー(相談援助職者)とは生活上で困難や不安を抱えている人、社会的に疎外されている人に対して包括的な支援を行い、さらに背景にある生活環境や社会も改善する専門職である。また、理論やアプローチ方法は、ソーシャルワークの実践の基盤となる。」と伝えられ、今回は3つの理論の「考え方や方法」を事例を通して、分かり易く説明していただきました。
 まず、「エンパーメントアプローチ」とは、利用者と利用者を取り巻く環境を改善できる3つのパワー(個人的・対人的・社会的)を高め、環境との良好な相互作用を取り戻していくアプローチであり、どんな困難な状況でも「すべての人に乗り越える力がある」と捉える視点だと説明されました。
二つ目の「問題解決アプローチ」は、問題を抱えることで、一時低下していた「人が生まれつき持っている、問題を解決しようとする力」が再び機能できるように、問題を小さく切り分け取り組む順番を決めることで、問題解決に向けた動機付けを行うアプローチであるということでした。最後の「課題中心アプローチ」は、短期的な時間の中で、具体的な課題を設定して、取り組むことで問題を解決する計画的な手法で、利用者が解決を望み、原則に双方の協議により最終的に問題を解決してゆく方法です。福本氏からは、事例を基に具体的に解説され利用者と向き合う際の理論に基づいた視点が説明されました。 
 今回は、3つの理論・アプローチを紹介して頂きましたが、実践では互いの理論の要素を活用し実践されている事、またソーシャルワーカー以外の専門職も普段の利用者への関わりをこれらの理論に当てはめて考えて下さいとの事でした。
 この研修会で利用者の抱えている問題を解決するための支援のプロセスを、理論を基に理解することができました。しかし問題を解決するのは支援者でなく本人であり、その人が本来持っている「強さ」「問題解決の力」を引き出せる支援を実践するために相談援助技術の大切さを学んだ研修会でした。