地域ケアセンター 活動報告

10月公開研修会のご報告

問題解決の糸口を見つける!
平成26年10月17日 鴻池会研修棟において「問題解決の糸口を見つける!!」をテーマに、介護支援専門員 大西 南津子氏を講師に研修会を開催しました。
 まず初めに私たち専門職はご利用者の望む自立した生活やQOLの向上を目指して支援を行う上で、支援者側の主観や価値観、思い込みなどによる捉え違いをなくし、正しい情報を収集する必要があると説明がありました。
そこで、トリックアートを使って、第一印象や思い込みなどによって、同じモノを見て、同じ話しを聞いても、それぞれ「事実を捉える視点と思考」が違う事を体験しました。ご利用者の思いに沿った支援を行なうためには、まず自分の思考の癖を知り、「一方向からではなく多面的に捉える」「思い込みではなく事実を捉える」「柔軟な思考で捉える」ということが大切だと、あらためて気づかせて頂いた体験でした。
 次にICFの考え方について、岡山プライマリーケア学会で作成された動画が紹介され、ICFは「生きることの全体を見る」という共通のものの見方・捉え方に働きかけるツールであるという説明がありました。その後、ICFの視点で情報を整理していくことで、ご利用者の望む自立した生活やQOLの向上を目指した支援の方法が見えてきた過程を実際の事例を使って伝えられました。私たちはご利用者の情報をたくさん捉えながらも、どうしても困まっていることやできないことに視点をおいて支援を行いがちになります。しかしICFの視点をもってその情報を整理すると、ご利用者が望む生活、またご家族の思いや不安などが見えてきます。そこでICFの「参加」に繋がる支援の方向が明らかとなってきます。その方向性が適切であるかについては、事例では専門家による評価に基づき環境因子に働きかけることで、ご利用者のQOLの向上に向けた支援に繋がる糸口となることを学びました。
 最後に、ご利用者はそれぞれ心身機能や生活環境の違い、またご本人の望まれる生活にも個別性があるため、ご利用者の声に耳を傾けられているかと、いつも振り返りながら行っていかなければならないと締めくくられました。
今回の研修会では、ご利用者の思いに沿ったマネネジメントを行なうためには、チーム全体がそれぞれの専門性を生かしてICFの視点で情報を捉え、ケアマネジャーが連携の要となってその情報をチーム全体で共有していくことの大切さを感じました。