地域ケアセンター 活動報告

1月公開研修会のご報告

「なるほど摂食嚥下障害」 ~誤嚥性肺炎を未然に防ぐために~
平成27年1月16日鴻池会研修棟において「なるほど摂食嚥下障害~誤嚥性肺炎を未然に防ぐために~」をテーマに鴻池荘訪問リハビリテーションの竹田言語聴覚士を講師に公開研修会を開催しました。
 はじめに、「現在、肺炎は日本人の死因の第3位となっており、高齢であるほどその割合が高く、65歳以上で肺炎のため亡くなる方の80%以上がに誤嚥性肺炎が疑われます。」との報告があり、誤嚥性肺炎を防ぐことの重要性が伝えられました。
 まず誤嚥と、むせ(喀出)の仕組みについて、視覚的に分かり易く模型を用いて、説明がありました。その後、私たちが何気なく行っている「食べる」という行為には、無意識に視覚、聴覚、嗅覚で食べ物を認識し、頬・舌・唇を上手く連動させて咀嚼し、飲み込みやすい形にして飲み込んでいるということを、実際に、意識をしながらクッキーを食べることで、嚥下のメカニズムを学びました。
 また、姿勢についても、実際に首がのけぞった姿勢やうつむいた姿勢でお茶を飲みながら、飲み込みにくさなどを体験し、食べる時の姿勢の大切さを理解することができました。
 次に、むせが弱い方は誤嚥した物をしっかり気管から出せていない可能性があるので誤嚥性肺炎のリスクが高いことや、うがいや歯磨きなどで口腔内を清潔に保つことで、誤嚥・肺炎のリスクが少なくなるというお話がありました。
ケアマネジャーとして、アセスメントを行う際には、口の汚れ以外にも食べこぼしや、食事量の低下、飲み込む際の異音などにも気をつける必要があることは勿論、言語聴覚士の専門的な評価の重要性をあらためて感じました。
最後に世界長寿ギネス記録になられた116歳の大川ミサヲさんの長生きの秘訣は「よく食べてよく寝ること。一番の楽しみはごちそうを食べること」とのコメントが紹介され、生きていく上で摂食嚥下機能を保つことはとても重要であり、健康で暮らしていくためには不可欠なのだと感じました。
 今回の研修会では、誤嚥性肺炎について、その原因やメカニズムを知ることにより、早期にご利用者の異変に気づき、適切な診断や専門的な指導に繋げることでリスク管理や予防をしていく事の大切さを学ぶことが出来ました。