地域ケアセンター 活動報告

10月 健康教室のご報告

10月の健康教室は、「たかとり雅楽会」の笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・竜笛(りゅうてき)の3名の奏者を講師にお招きし、「雅楽」について伝えていただきました。 
 まず、「雅楽」は、仏教や大陸の文化と共に中国、インド、ベトナム、朝鮮半島などから輸入された音楽が集大成されたものであり、私たちもよく知る「千秋楽」や「やぼ」「塩梅」という言葉も「雅楽」から発生した言葉であると説明がありました。
 「雅楽」に使われる楽器は、それぞれ特徴があり、まず、笙は17本の竹が組み合わさり、その姿は鳳凰が翼をたたんだ姿と言われ、音は天から差し込む光と例えられるそうです。篳篥はペルシャ生まれの小さな縦笛で、その音は地上で生活する人の声を表していると言われており、竜笛は長さ40センチくらいの横笛ですが、その音色は空を舞う龍の鳴き声と言われるそうです。
 3人の奏者が楽器を手にし、「音取り」が始まると、空気が一変、「越天楽」の演奏が始まり、「荒城の月」、そしてドボルザーク作曲「遠き山に日は落ちて」と次々に奏でられる優雅で澄んだ音色に皆さんはじっと聞き入っておられました。
 演奏の後は、篳篥や竜笛の体験をさせていただきました。篳篥は小さな縦笛ですが、頬に力が要り鳴らすのはとても難しいと言われていましたが、挑戦された方は何度か手ほどきを受けているうちにきれいな音が出て、会場の皆さんも雅楽会の方もびっくりされていました。他の方は竜笛に挑戦され一生懸命吹いておられましたが、こちらはなかなか音が出ず、難しさを実感されたようでした。
 最後に、『カラオケならぬ”雅楽オケ”で楽しんでください』ということで、「遠き山に日が落ちて」を皆さんで合唱しました。雅楽演奏をバックに歌うなどなかなかできない経験で、皆で楽しく歌いました。
 生の演奏を聴く、その感動や新しい体験は心を豊かにしてくれます。秋深い一日、私達を古の雅な世界へと導いてくれたひと時でした。