地域ケアセンター 活動報告

11月公開研修会 ご報告

認知症をもっと知ろう ~臨床から見えてくるもの~
 11月公開研修会は、秋津鴻池病院精神科 杉山弘朗医師を講師に迎え、「認知症をもっと知ろう」をテーマに開催させて頂きました。当日は、100名以上の参加を頂き、認知症に対する関心の高さを感じました。
初めに、認知症には、アルツハイマー病、血管性認知症など様々な種類があり、投薬や対応に違いがあるという説明がありました。
 そして、特に関心が高いと思われる「認知症診断」については、診察時の情況だけではなく、普段の情報が大切になると話されました。たとえば物忘れが「いつ頃からか」「どのような時か」や、大きな声を出すことがある場合、「その原因となるものはないのか」など。しかし、このような診断に必要となる情報が得られないことも少なくないそうです。ケアマネジャーは、サービス事業所からの情報やモニタリング時の情報から、ご利用者の普段の変化やその情報を主治医に伝えられることが「認知症診断」には重要であるということを感じました。
また、認知症の介護について先生ご自身の家族介護の体験も交えてお話され、実際に家族を介護されて日常の臨床の場とは違う介護の大変さを実感されたそうです。
 家族は、一生懸命に介護するだけにそれが報われないと、「怒り」や「悲しみ」の感情が生まれます。先生は、その時にこの言葉を渡してあげることが大切だと話されました。その言葉は『ジャマイカ精神』です。ジャマイカはジャマイカ国ではなく、「じゃーまーいいか」という、期待しすぎない、あきらめ上手が大切だという意味だそうです。多くの頑張っているご家族にとっては魔法の呪文のような言葉であり、この言葉を渡すことで心が軽くなり少しでも楽な気持ちで介護してもらいたいという思いを込めた言葉だと思いました。
 最後に、認知症の介護では、家族の負担感からつい家族の視点で見てしまうが、家族も含めた本人を中心として支援していくことを忘れないようにようにと伝えられました。