地域ケアセンター 活動報告

2月公開研修会 ご報告

『権利擁護で暮らしを支える』~「こう生きたい」を実現するために~
H24年2月 松村ケアマネジャーにより、表記「権利擁護」について公開研修会が行なわれました。
まず、松村氏は、人は生まれながらに人として擁護されるべき権利(アドボカシー)「人権」があり、誰もが普通の生活が出来るような仕組みを考え、支援し、代弁・弁護するという考え方が「権利擁護」であり、その権利を擁護するために複合的な支援システムがあるとの事でした。
具体的制度として、「成年後見制度」と「日常生活自立支援事業」があり、二つの制度は対象者も援助の内容もよく似ていますが、大きな違いとして「日常生活自立支援事業」の支援内容は日常生活の範囲に限られ、預貯金通帳や不動産権利所の保管は出来ても「成年後見制度」の様に処分は出来ないなど 重大な行為は出来ないとのことでした。
講義の後は、先ず鴻池会地域ケアセンタースタッフにより寸劇が行なわれ、その後に7つに別れグループワークを行い感想や体験にいての意見交換が行われました。
寸劇は、「地域ケア会議」で、医療・介護・福祉の専門家を始め、地域の民生委員の話し合いにより、ご本人が地域で生活するには金銭管理など介護保険だけでは援助できない事もあったため、「日常生活自立支援事業』利用の提案が行なわれ、在宅生活が難しいと思われた方を、「ご本人が望む生活」の実現に向け、動きだすことになったという内容でした。
グループワーク発表では、消費者被害について、「その時私たちに何ができるか。」との問題提起があり、身近な問題と思ってもう一度「私たちになにができるか?」と考えた時「おかしいな?」と思ったら声掛けができる、顔を見て挨拶できる、そんな地域を作る事が必要だと思いました。
最後に松村ケアマネジャーから
「権利擁護」とは単に判断能力の低下した方を一方的に支援していると思いがちですが、法的支援を土台にしながら、『その人らしく生きる』ことを支援することだと思います。と締めくくられました。
今回の研修を通して「権利を擁護する」ということの本当の意味と必要な時に使える知識を身につけ、「ご本人の望む生活」を支援したいと思いました。