地域ケアセンター 活動報告

7月 公開研修会「口腔ケアの大切さ」~歯科衛生士の役割とは~開催しました

7月公開研修会「口腔ケアの大切さ」~歯科衛生士の役割とは~について鴻池荘・歯科衛生士・松尾 由佳氏よりお話頂きました。
はじめに、鴻池荘での歯科衛生士の役割について、「口腔ケアを通じて、自立を促し、美味しく食事ができ、健康で楽しい日常生活が送れる事を最終目的としている。」とお話しがあり、そのためのチームでの連携の話しがありました。
摂食・嚥下障害の方に対するチーム連携として、先ずPTが姿勢保持の方法や改善など基本動作訓練を行い、OTがご利用者の動作評価をした上でご利用者に合う歯ブラシを選定し、次に歯科衛生士がOTの選定した口腔ケア物品の提案をもとに口腔ケアを実施。それと併行してSTが口腔機能と嚥下機能の訓練実施していく。といったように様々な職種と連携し、その過程は、リハビリというチームケアであるという事を教えて頂きました。
また、口腔ケアのプランを考えるにあたって、問題点も利用者によって様々であり、ケアの手段を提案する前に、利用者の能力評価、現在使用している物品の見直し、ケアを実施する家族やスタッフの協力、これらをふまえてプランを立案していく、ということでした。例えば、口腔内が食べる為の準備が出来ていない場合、うがいや、唇・舌のストレッチなどのウオーミングアップを行い、唾液分泌を促し、咀嚼を滑らかにする。右手の機能低下が原因で歯磨きができないのであれば、電動歯ブラシや左手でも磨き易い歯ブラシの検討をする事や、うがい時に口腔閉鎖ができているかの確認をするなど、具体的なケア方法の紹介があり、これらを早くからケアプランに組み込むことで、誤嚥のリスクを減らせる効果があるとの事でした。
また、認知症の方は義歯外す事を嫌がられる事が多く、どんな方も口の中というプライベートな空間を見られる事は恥ずかしいことであり、先ずは信頼関係を構築し、口腔内をも気軽に観察をさせて頂ける関係作りが大切である事を教えて頂きました。